研究成果の実用化例
情報理論およびその関連分野の基礎研究を主に行っているため,研究成果が直ぐに実用化されることは少ないが,下記のようなものが実用化されている.
1, 再送要求を伴うViterbi復号法
- 発表論文
H.Yamamoto and K.Itoh, Viterbi decoding algorithm for convolutional codes with repeat request", IEEE Trans. on Inform. Theory, vol.IT-26, no.5, pp.540-547, Sep. 1980
- 実用化例
再送要求を伴うViterbiアルゴリズムは,「 Yamamoto Algorithm (あるいは Yamamoto-Itho Algorithm)」として広く知られており,そのアルゴリズムで用いられるパラメータは「Yamamoto Parameter, Yamamoto quality flag, Yamamoto bit, Yamamoto threshold」などと呼ばれている.
- このYamamoto Algorithmは,テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)がヴィタビ復号器をDSP(Digital Signal Processor)技術を用いて集積化したVCP(Viterbi decoder CoProcessor)の一連のシリーズ(2003, 2004, 2009, 2010, 2011など)に組み込まれている.
- 例えば,最近のKeyStone Architectureを用いた「KeyStone Architecture Viterbi Coprocessor (VCP2)」のマニュアルでは,2.3節で「Yamamoto Algorithm」「Yamamoto bit」が紹介されており,Table3-5, Table3-11において,Yamamoto Algorithmのパラメータの設定法などが書かれている.
2, (k, L, n)ランプ型秘密分散法
- 発表論文
山本博資, "(k,L,n)しきい値秘密分散システム", 電子通信学会論文誌, vol.J68-A, no.9, pp.945-952, Sep. 1985, [英訳: Electronics and Communications in Japan, Part I, vol.69, no.9, pp.46-54, (Scripta Technica, Inc.), Sep. 1986]
- 実用化例
秘密分散法を利用した認証法